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トナカイよさらば

ポインセチア

20XX年12月
クリスマスが近いのにもかかわらず、トナカイのルドルフは憂鬱だった。ルドルフだけでなく、他のトナカイも沈んでいた。

1週間ほど前、ルドルフはサンタに呼ばれた。イブの打ち合わせだと思い込んで、天気図を元に最適な今年の配達地図を携えてサンタの部屋へ向かった。

「お疲れさん、まぁかけて」とサンタに言われてルドルフは椅子に腰掛けた。地図を広げようとすると手で制止された。
「何か?」
「うん…」
「?」
「駅のそばにトヨタのディーラーがあるのを知ってるだろう?」
「ああ、ジェームスさんの店ですね。」
「そう、先日あそこにトヨタの社長さんが来てね…」
「ええ。」
「そりを引くのにプリウスを寄付するから使ってみないかと言うんだ。トナカイの代わりにね…」
「えっ!」
「確かに君達には感謝しているが、最近はコストパフォーマンスとか環境対策がサンタ管理局でも重要な問題でね。君達の餌代とプリウスの燃料費を比べるとプリウスの方がだいぶ安いんだ。それと君達が道に落としていくアレもね、最近はうるさくて。昔はそんなものにに文句をつける人なんていなかったんだが。」
「そんな…」
「君の赤鼻は明るくて助かっていたんだが、最近のヘッドランプはもっと明るくて私も試してみたが運転が楽だったよ。」
「ずっと一緒にやってきたじゃないですか。」
「すまない。が時代の流れだよ、理解してくれ。まず、トヨタディーラーの充実している北米と日本で始めて、徐々に世界に広めるつもりだ。北米担当の私としては憎まれ役は避けたいところなんだが、、理解してくれないか?君もそろそろ故郷でのんびりしたらどうかね、今までクリスマスをゆっくり家族で過ごしたことなんてないだろう。」
ルドルフは打ちひしがれて帰り、仲間にこの話をした。

「黙って帰ってきたのかよ!」
仲間に問い詰められてルドルフどうしていいかわからなかった。

「子供達に聞いてもらおう、プリウスよりトナカイの方がいいと言うさ」
一匹のトナカイが提案した。
全員がこれに同意し、サンタ組合にアンケートを取ってもらうことを確約した。

--続く--

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